セックスしないでお金を稼ぐ

僕が付き合っているリサさんは、バーのママである。いや、付き合っていると言うより、付き合ってもらっていると言った方がいいかも知れない。
彼女の経営するバーはいわゆる文壇バーと言うものだ。文化人が集うことで有名になっている。しかし、それはここ最近の話である。ある著名な作家がエッセイに「僕を育ててくれた店」と、この店のことを紹介したことがきっかけで名が知れるようになったのだ。
僕はここに10数年通っているので、その変化は身を持って感じている。僕が通い始めた10年前はお金のない貧乏学生しか客はおらず、大学の文学部で創作を志していた僕もご多分に漏れず、安い額でお酒を飲ませてくれるこの店にお世話になっていた。
その頃から、リサさんとは懇意にしてもらっている。僕にとってリサさんは、話を聞いてくれる母親のような存在でもあり、セックスを教えてくれた先生のような存在でもあった。
しかし、学生たちに無料同然でお酒を飲ませてくれる店だったので経営は芳しくなかった。以前に、リサさんになぜそんなバーのママをやってるの?と聞いたことがある。
お金くれる人
「セックスしないでお金を稼ぐには、私にはこれくらいしか思いつかなったからよ」とリサさんは言っていた。バーの売り上げで生活費を捻出して、店に来る若い男の子をつまんでセックスを満たす。実際に店の経営が行き詰った時は、援助交際してお金を稼いでいたらしい。「悪いママよね」とリサさんは笑いながら、童貞だった僕を大人にしてくれたものだ。
そんな縁が10年続いている。当時よく見かけた客も見ることはなくなり、前述のエッセイで客層も変わった。店も流行りだして、リサさんはセックスしないでお金を稼ぐことができるようになった。変わらないのは僕とリサさんのセックスだけだ。
その日は店は貸し切りだった。店には僕とリサさん、そして新聞や雑誌の記者たちが集っていた。
「さて、そろそろ結果発表かな」と、リサさんが僕を見ながらつぶやいたのと同時に、僕の携帯に通話が入った。それは某文学賞受賞を伝える連絡であり、一斉にカメラのフラッシュが炊かれた。
受賞会見は「僕を育ててくれたリサさんがいるこの店」しかない。記者から質問責めにあいながら、後ろでグラスを磨いているリサさんに目をやると、彼女は我が子を見守る母親のように微笑んでくれた。
ギャラ飲みアプリ
パパ活しているぽっちゃり主婦